2005年03月27日

『脳内現象』茂木健一郎(NHKブックス)

『多くの人に読んでもらい、考えてもらいたい、今世紀の重要な一冊!』と養老孟司の推薦文がついている本書は、「私」である意識を「クオリア(qualia)」をキーに考察した書籍。

正直、読み終わった感想としては、この帯の文句はちょっとずるいよなーっと思った。茂木さんやクオリアについては多くの人に知ってもらいたいとは思うけれど、内容的にはもうちょっとページ数が欲しいという印象が一番強く残った。

「意識」への現在の科学の取り組み具合など、改めてわかることももちろん多い。わからないことをはっきりとわからないと言っている点や、現在の考えにいたるまでの彷徨などもおもしろい。でも、茂木さんは文章巧い方だと思うし、やっぱりもう少し書いて欲しかったと思ってしまった。

ちなみに耳馴染みのないクオリアについては、茂木さんのサイトクオリア・マニフェスト(The Qualia Manifesto)で読むことができます。

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2005年03月24日

『想像力の地球旅行』荒俣宏(角川文庫)

ボクらは黄色くて首が長い動物も、角が生えている海の中を泳ぐ生物も、虫を食べてしまう花も、この世界に存在していることを知っているけれど、動物園や水族館、図鑑も写真もない時代は、全てを想像するしかなかった。

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2005年03月21日

『レイアウトの法則アートとアフォーダンス』佐々木正人(春秋社)

アフォーダンスを生態心理学者の目だけではなく、アートの現場で生きる人の目を通して語られた興味深い一冊。対談者としても登場するデザイナーの鈴木さんによって、学術書には見えないデザインにも好感がもてた一冊。

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2005年03月20日

『終戦のローレライ3・4』福井晴敏(講談社文庫)

文庫版の1・2・3・4巻は、ちょうど起承転結という形にそれぞれ収まっているようで、展開の早い3・4巻はあっという間に読み終えてしまった。1・2巻を読んだ段階では映画の方がいいのかなーとも思ったけれど、読み終えておもしろかったと、素直に感じた。

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2005年03月17日

『終戦のローレライ1・2』福井晴敏(講談社文庫)

まず、文庫版の『終戦のローレライ』は全4巻です。たまたま寄った本屋さんに1と2しかなかったため、ボクは、2巻を読み終えるまで気付かなかった……。2700円もかかるなら他の本買ったかもなと、ちょっと悔やみました。結局3・4は1週間遅れで買いました(まだ読んでません)。

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2005年03月15日

『いつか記憶からこぼれおちるとしても』江國香織(朝日新聞社)

同じ教室で時を過ごしていた、10人の少女の物語。この本に関しては江國香織の名前よりも、タイトルに惹かれて買ったといえるんだけれども、そのタイトル通りの、いつか記憶からこぼれおちてしまうような、儚くてせつない17歳の一瞬を切り抜いた作品。

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2005年03月13日

『青いバラ』最相葉月(新潮文庫)

世界中の人に愛されてきたバラ。しかし、バラのなかには、その姿を見せずに咲き続ける色がある。不可能の代名詞として使われる青いバラだ。数多くの育種家が夢見、多くの物語や人の心のなかでだけ咲き続ける青いバラをめぐって、ミスター・ローズと言われた鈴木省三の半生や、最新のバイオテクノロジーを紹介するノンフィクション作品。

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2005年03月07日

『流星ワゴン』重松 清(講談社文庫)

人生にリセットはないし、セーブもロードもない。過去も現実も変えられない。じゃあ、未来はどうだろう。未来は自分でつくるものだなんて、映画やゲームの謳い文句を口ずさんでみても、気が付くと人生の道筋はいつの間にか見えてしまっている。軌道の変えられない真っ直ぐな道だ。

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2005年03月06日

『不思議の国のアリス』ルイス・キャロル(新潮文庫)

時計を持ったうさぎや、トランプの兵隊など、子供のころ何かしらで得た断片的な記憶はあるけれど、これまで最初から最後までストーリーを通して読んだことは一度もなかった。なので読んでみたのだけれど……えっと…これはなんなんだろう…?

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2005年03月02日

『ストロボ』真保裕一(新潮文庫)

カメラマンとして一応の成功を収めた主人公。しかし、自分の足跡と現状に信念のゆらぎを感じ、50歳を過ぎてもなお、忸怩たるものを抱え続けていた。自分はまだ走れるのか……。そう言って走り出した男の半生を振り返る作品。

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2005年02月27日

『泉光院江戸旅日記』石川英輔(講談社)

泉光院という高僧(山伏)が文化文政期(19世紀)の日本を旅した記録を、著者がわかりやすくまとめたもので、当時の庶民の暮らしぶりなどがうかがえるおもしろい作品だった。やや娯楽的というか、読んでいて気になる点があったものの、現代人の視点である著者の感想や一言も妙味となっていて、そこも意外と楽しめた。

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2005年02月26日

『ネバーランド』恩田陸(集英社文庫)

冬休みに入ったとある男子校。多くの生徒が帰省するなか、3人の生徒が寮に居残りを決める。そこに自宅から通う変わり者の生徒がひょいと顔を出し、4人の少年の共同生活がはじまる。1日1日と時間を過ごすうちに、大勢のなかの誰かだった関係が1人と1人の関係になり、お互いのポジションを確認し合いながらそれぞれの持つ暗く重い陰を共有し、次第に共犯関係にも似た仲間意識が芽生えていく…

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2005年02月24日

『意識とは何だろうか』下條信輔(講談社現代新書)

意識とはなにか、心とはどこにあるのか。私は私の意思で生きているのだろうか。そもそも私を含め、世界は存在するのか。逆に脳内で全てをつくりあげることはできないのか・・・と、そんなことを考えさせられる、認知心理・科学の広範な話を興味深く紹介している一冊。

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2005年02月20日

『カメラ』ジャン=フィリップ・ トゥーサン(集英社文庫)

ふと訪れた本屋で文庫化された『カメラ』を見つけ、久しぶりに手にとってみた。以前、図書館で読んでから数年は経っていると思うけれど、なかなか良かったという記憶が残っていたからだ。パラパラページをめくり、改行の少なさや、一文の長さに少し懐かしさを覚えた。

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2005年02月16日

『センス・オブ・ワンダー』レイチェル・カーソン(新潮社)

やわらかな光に包まれた月が、水平線沈んでいくのを静かに眺めている時間。自然が奏でる微かな声に息をひそめ、そっと耳を傾ける瞬間。

自然を美しいと感じる時間。心を遊ばせ、驚きを感じ、微笑を浮かべられる感性をもっていますか? そう問いかけてくる、自然を愛した人が残した、優しいメッセージ。

溜め息の連続のなかで忘れつつある優しい瞬間を、思い出させてくれます。

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2005年02月12日

『カモメに飛ぶことを教えた猫』ルイス・セプルベダ(白水社)

巻末の訳者あとがきに、『ヨーロッパでは8歳から88歳までの若者のための小説と謳われて出版された』と書かれているんだけれど、これはまさしくその通りで、大人にもよんでもらいたいし、お母さんやお父さんの人なら子供に読ませてあげて欲しいなと思う物語だった。

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『妊娠カレンダー』小川洋子(文春文庫)

小川洋子の本は『完璧な病室』に続く2冊目。今回も短編集で、タイトルにもなっている『妊娠カレンダー』は芥川賞受賞作らしい。芥川賞がどういう基準で選ばれているのかは知らないけれど、確かに今回も文章は巧いと思う作品だった。『完璧な病室』と比べると、だいぶ読みやすくなっている。

繊細で透明、淫靡でグロテスク。生物としての人間に忌避を感じながらも、成長とともにそこに魅了され、安全な場所を守ろうとする子供の意識と、快感を得たいという大人の衝動の入り混じった、ある種のピーターパン症候群に陥った人たちの断片という感じか。

本のタイトルや受賞作という印象ではなく、あんまり気持ちのいい内容ではないという意識をもってから読むならば、結構おすすめだと思う。

小川洋子に関しては捉えかたが違う人がたくさんいるので、そういう感想も読んでみてほしい。


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2005年02月09日

『君が壊れてしまう前に』島田雅彦(角川文庫)

ストーリーとしては日記形式に、中学2年生の元旦から3年生の元旦までの1年間を振り返ったもの。自由で足枷を感じることのなかった小学生時代と違い、中学生になって自分ができることとできないことがわかりはじめ、学校や友達や家族など、周囲の中での自分の位置もだんだんはっきり見えてきて、気付いた足枷に不安と絶望を感じ、葛藤にさいなまれながらいつ壊れても不思議でない、それでいて貴重な時間を描いた小説。

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2005年02月08日

『13階段』高野和明(講談社文庫)

不運ともいえる事件に巻き込まれてしまった主人公が、服役後、元刑務官の依頼により、冤罪の可能性にある死刑囚を救うため調査に乗り出す。被害者の家族や弁護士、保護司などの1つの事件をとりまく様々な人々の思惑。消えてしまった記憶、覆らない辛い過去が調査により次第に繋ぎ合わされ、形をなしていく。死刑制度や、そもそも人が裁くとは、あるいいは罪とはなんだろうか、刑に服するとはどういうことなのか、社会テーマを根底に引きながら織り成される江戸川乱歩賞受賞作品。

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2005年02月06日

『ぼんくら(上・下)』宮部みゆき(講談社文庫)

宮部みゆきは時代小説の方がおもしろいと思うのはボクだけじゃないと思う。この『ぼんくら』も貧しくてもたくましい江戸時代の人々の人情や風情がうまく描かれていて、少しミステリーを加えたストーリーも2度読んでもおもしろく感じられた。

井筒平四郎(主人公)をはじめ、養子の弓之助、岡っ引きのところの“おでこ”などの登場人物が魅力的で、ぜひシリーズ化して欲しいと思っていたら、続きとなる『日暮らし(上・下)』が発売されたらしい。早く読みたいのだけれど、基本的に通勤途中で読むことが多いため、文庫サイズじゃないと辛い。早く文庫化してくれないかな。

ところで、この本で奥さんのことを「細君」と書いているのだけれど、「さいしん」と読み仮名がふってあった。簡単な辞書などだと「さいくん」なのだけど、古くは「さいしん」と読んだのだろうか。ちょっと気になった。

posted by meme_jam at 21:37| Comment(2) | TrackBack(4) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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