2005年06月03日

『地下鉄に乗って』浅田次郎(講談社)

浅田次郎の本はこれまで読んだことがなく、知り合いが読んでいるのを見かけなければ、今後も読む機会はなかったかも知れない。ともかく、今回はじめて読んでみて名が知られているだけあるなと、素直に感心させられた。

ページをめくっているとすぐに話しに引き込まれ、しおりを挟んで置いておくと、ちょっとした気がかりが晴れないように続きが気になった。先の展開がどうなるかわからないというよりは、物語を読みたいという感じだった。

ただ、最後まで読み終えてみると、主人公の性格の分、本の評価を下げざるを得ないのが残念だった。読む人によって変わるとは思うけれど、ボクには身勝手なオッサンにしか映らなかった。まったく、どの作家の主人公もロクなヤツいないなーと、なんかしみじみ思ったくらいだ。

これでは褒めているんだか、けなしているんだか自分でもわかりづらいけれど、一冊の本としては十分おもしろかったといえた。こういう主人公がいない、別の本を読んでみたいと思った。

ところで、読みはじめてからずっと気になることがあった。この『地下鉄に乗って』と以前読んだ『流星ワゴン』の展開が、かなり似ていたことだ。断片的に過去に遡っていく主人公が、これまで見失っていたことや避けていた事実に気付いていく様子、そして父と子の愛憎の姿など、ある意味オマージュなのか? と思ったくらいだった。まあ、でも、どちらがよかったかと考えると、『流星ワゴン』の方が感動できたかなと思う。若干贔屓目があるかも知れないけれど。
posted by meme_jam at 00:35| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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