2005年05月20日

『劫尽童女』恩田陸(光文社)

読み終わったあとに抱いた感想を一言で表すと、「これは失敗だろ……」というものだった。

恩田陸は好きな作家なので、読む前に期待を持ち過ぎたということもあるだろうし、読んでいる最中もどこかで期待通りの展開に進んでくれるだろうという救いを求め過ぎたのも悪かったのかも知れない。

でも、巨大な秘密組織と天才博士と人外の力を持つ女の子という設定を許容したとしても、最初から最後まで薄っぺらさしか感じられなかった。

この作品を書くにあたって、何かを調べたり、確認したりしたのだろうか? 既知の小説や映画、マンガなどから得た浅薄な知識内でまとめたんじゃないかと思ってしまう。少女の成長を描きたかったというような一文が巻末にあったと思ったけれど、それも言い訳のようにしか聞こえない。

恩田陸の作品に『光の帝国』という、本書と似たような「力」を持つ人々の物語でのがある。こちらも浅いと言えば浅いけれど、ストーリーのおもしろさは全然違う。というか、恩田作品で最も好きな一冊のひとつだ。これを書くより、『光の帝国』の続きを書いて欲しいと思った。

posted by meme_jam at 11:24| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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