2006年03月08日

『ねじの回転』恩田 陸(集英社文庫)

2.26事件を舞台にタイムパラドックスを扱ったSF作品。

前回読んだ『劫尽童女』よりは内容的にもしっかりしているし、おもしろいと感じるところもいくつかあったけれど、読み終えてみると不完全燃焼。良いとも悪いとも歯切れよく表現できない微妙なものだった。

2.26事件に関わる登場人物たちに対しては惹き込まれるような点もあったし、これまで戦中ものを読まなかった人にも、戦中ものに対して興味を投げかける雰囲気があったと思う。

でも、本来の主人公側の国連の人物たちの顔があまり見えてこなかった点と、彼らの目的や、できることとできないことの差が表現しきれていなかったことに、本を閉じようかと迷うぐらいの「どうでもいい」感が読んでいる途中に何度かあった。

時間を遡る仕組みや彼らの目的の説明を後回しにする必要なかったのに、無意味に小出ししてる点にも読みづらさを何度か感じた。

恩田陸は好きな作家だったはずなんだけれど…うーん


posted by meme_jam at 23:33| Comment(19) | TrackBack(1) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月09日

第84回全国高校サッカー野洲の初優勝

今日の野洲高校のプレーは見ていて非常におもしろかった。

今回の大会は今日の決勝がはじめてだったので、選手名はぜんぜんわからなかったんだけれど、野洲はどの選手にボールが渡っても、必ずといっていいほど個人技で鹿実の選手を抜きにかかっていたように思えた。

そのせいか、見始めた当初はどちらを応援するということもなく、漠然と鹿実が勝つのかなーと思って見ていたのに、途中からは野洲を応援するようになっていた。延長後半で追加点を決めたときには、これまでまったく野洲高校を知らなかったのに、思わずガッツポーズしてしまったほどだった。

ちなみに野洲高校の滋賀県はこれが初の全国制覇だそうだ。優勝おめでとー♪
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『4TEEN』石田衣良(新潮文庫)

『4TEEN』は、特異だけど特異じゃない社会の断片を、少年たちの視点から追ったストーリー群といった内容で、物語の王道ともいえる、かけがえのない少年たちのきらびやかな時間を描いた物語。

あらがえない厳しい現実に直面しながらも、大切なものがなんなのかを知っている少年たちの姿や、淡々とした静かに流れるような雰囲気は読んでいて心地好いものだった。

読んでいる途中は、やや掘り下げがたりないというか、最も辛く難しい部分は避けているなーという感じもあったけれど、読んでいて鬱々とするよりも、淡々とした爽やかさが残ってよかったと読み終えたあとは思えた。

こういう少年たちの時間を描いた作品は小説でも映画でもたくさんあるけれど、たとえ似たようになっていても、やっぱり面白さや感動を与えられることが多い。いろいろな作家のこういうものが読みたいなと思う。


posted by meme_jam at 18:46| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月26日

『博士の愛した数式』小川 洋子(新潮文庫)

心温まるストーリーという予備知識だけで手にとったため、博士の記憶が80分しか続かないという設定が出てきたところで、歩いている際に後ろから襟を引っ張られるようなつまずきを覚えた。

病気や死がキーワードになった話は嫌いじゃないけど、ちょっと食傷気味な気分があったからだ。

でも、読み進めるうちに、ふんわりとした物語の流れに、そういう気分もなくなった。特別なことのない毎日を追っていくことが楽しく、本を開いてからそのまま最後まで読み通すことができた。ルートが優しい人間に育ってくれたのがよかった。

ただ、他の感想でグロいだのなんだの文句を書いておきながら勝手な話だけど、なんとなく物足りなさも少し残った。3冊しか読んでないから比べようもないけど、他の書評にあるような、この本が小川洋子で1番ってことはないような気もした。

ところで、読んでいる途中、博士と家政婦さんはいつ結婚するのかなーと考えていたんだけど、こういう見方って、二人の姿を見てヒソヒソ噂話を立てる周囲の目と同じだよなーと、あとで格好悪さを感じた。

愛情(心の繋がり?)を短絡的に結婚などの二人の関係に結びつけちゃうのは、無粋というか、さもしいというか。自分のことながら、つまらない人間だなー。

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2005年12月18日

『蝿の王』ウィリアム・ゴールディング(新潮文庫)

5歳〜12歳くらいまでの少年たちが、無人島に漂着して生き残るという、王道のストーリー。

十五少年漂流記』にあるような達成感や人間成長ドラマ的な部分はなく、少年たちの無知やプライドが交錯し、次第に人間関係が崩れ、そして最後は殺人にまで発展していくという、ある意味リアルな物語。

どちらかというと、『漂流教室』や『ドラゴンヘッド』の方が近いのかも知れない。

少年たちの年齢が低過ぎるのと、展開が早いため、それほど漂流の危機感や、展開の起伏が感じられないのが残念だったけれど、結末の皮肉さは結構秀逸なのかなーと感じた。

追い詰められた人間社会はこんなものかなーとか、自分がいたらどうなっただろうなーなどと考えながら読むとおもしろいです。



posted by meme_jam at 14:50| Comment(1) | TrackBack(3) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『誘拐の果実 (上下)』真保 裕一(集英社文庫)

今回はおもしろかった。犯人が誰なのかとか、予想を裏切るというような展開が繰り広げられる…というものではなかったけれど、結末まで一気にサラッと読むことができた。

前回読んだものが読んだものだったせいもあるんだろうけど、今回はそれほど殺伐とし過ぎずに、そして最後の円団も納得しやすいものだった。

ただ、予想通り過ぎるというのと、刑事を中心とする人物がいまひとつ書き分けられていない感じで何回かページを振り返りさせられた点がやや残念な気もする。



posted by meme_jam at 14:10| Comment(2) | TrackBack(1) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月21日

『発火点』真保 裕一(講談社文庫)

帯に書いてある“ミステリー”自体はオマケで、努力をせずに家族や社会に責任をなすりつけるという、ドコにでもいるタイプの人間が、塞翁が馬的なことを繰り返しながら、ちょっと成長? する話。

読み終わってみれば、真保さんにもまあこういう作品もあっていいだろうとは思ったけれど、いつスリリングな展開になるんだろう? という、期待を抱き続けながら読んでしまったため、鬱鬱とした陰気な展開に終始したことにちょっと辟易した。

人としての弱さは魅力になることも多いのだけれど、この主人公のように鼻につくようないい加減さは読んでいて楽しいものではない。ストーリー自体も、なんかどこに面白みを見つければいいのかという、釈然といかないままで終っており、一応のハッピーエンドらしきものも、また時間が経てば繰り返すんじゃない? って感じの成行だった。

この本も含めて、真保さんの主人公はよく言えば人間らしいんだろうけれど、読み物として見たときは、もう少し改善して欲しいなーって人ばかりだ。



posted by meme_jam at 23:57| Comment(1) | TrackBack(1) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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